はやり目ってプール熱と何が違うの?

前回は、
目の表面をおおう「結膜けつまく」についてお話ししました。
今回は、その結膜に強い炎症を起こすことがある
はやり目についてです。

はやり目ってどんな病気?

はやり目は、正式には流行性角結膜炎りゅうこうせいかくけつまくえんといいます。

英語では Epidemic Keratoconjunctivitis といい、
その頭文字をとって”EKC“とも呼ばれています。

名前に「流行性」「角」「結膜炎」と
入っているように、

  • 人から人へ広がりやすい
  • 「角膜かくまく」に炎症が起こることがある
  • 「結膜けつまく」に炎症が起こる

という特徴があります。
だから、“流行性の・角膜・結膜の炎症”なんですね。

原因は、主にアデノウイルスです。
前にお話ししたプール熱も同じアデノウイルスによる
感染症ですが、はやり目では、発熱やのどの痛みよりも
目の症状が中心になります。

感染してから症状が出るまでの潜伏期間せんぷくきかんは、
およそ1〜2週間です。
感染力が強く、家庭や学校、保育施設、医療機関などで
広がることもあります。

※経過や症状の強さには個人差があります。
角膜の濁りは必ず起こるものではありません。

目にはどんな症状が出るの?

はやり目では、強い充血や目やに、まぶたの腫れなど、
目にさまざまな症状が現れます。
はじめは片方の目だけに症状が出て、
数日後に反対の目にも広がることがあります。

・強い充血

まぶたの裏側の結膜にも強くみられることがあります。

・目やに

涙のような水っぽい目やにが増えます。
朝起きたときに、目やにでまぶたが開けにくくなる
くらい出ることもあります。

・まぶたの腫はれ

炎症によって、まぶたが腫れることがあります。

・耳の前にあるリンパ節の腫れや痛み

耳のすぐ前にあるリンパ節が腫れ、
押すと痛むことがあります。
目以外の場所に現れる、はやり目の特徴的な症状の
ひとつです。

・偽膜ぎまく

炎症が強い場合には、まぶたの裏側の結膜に、
白い膜のようなものができることがあります。

特に乳幼児や小さな子どもにみられやすく、
眼科で取り除く処置が必要になることもあります。

・角膜の濁にごり

充血や目やにが治まったあとに、
角膜に小さな濁りが現れることがあります。
濁りによって、
・まぶしく感じる
・かすんで見える
・見えにくく感じる
などの症状が出ることがあります。
多くは時間とともに薄くなりますが、
長く残ることもあります。
医師から指示された点眼薬は、
症状が軽くなっても自己判断で中止せず、
指示どおり続けることが大切です。

どうして広がりやすいの? 家庭での注意点

はやり目は、名前のとおり、人から人へ広がりやすい
結膜炎けつまくえんです。

目やにや涙に含まれるウイルスが、目を触った手や
タオル、ドアノブなどを介して広がります。
片方の目を触った手でもう片方の目に触れ、
反対の目にも症状が広がることがあります。

はやり目に対する特効薬はなく、症状に応じた
点眼治療を行いながら、回復を待つことが中心です。
そのため、家庭では、自分の反対の目や家族へ感染を
広げないことが大切です。

次のようなことに気を付けましょう。

  • 石けんと流水で、しっかり手を洗う
  • 目をこすったり、必要以上に触ったりしない
  • タオルや洗面用品を家族と共有しない
  • ドアノブや洗面台、蛇口など、
    よく触る場所を清潔にする
  • 入浴する場合は、
    可能であれば感染した人を最後にする

特に、目を拭いたティッシュや目やにに触れたあとは、
すぐに手を洗いましょう。

アデノウイルスには、一般的なアルコール消毒だけでは
十分な効果が得られにくい場合があります。
そのため、家庭でまず大切なのは、石けんと流水で
ウイルスを洗い流すことです。

ドアノブや洗面台などの消毒には、
次亜塩素酸じあえんそさんナトリウムを含む
塩素系漂白剤が使われることもあります。
製品の表示に従って希釈し、換気をしながら安全に
使用しましょう。

学校や会社はいつから行けるの?

はやり目は、
学校保健安全法では第三種学校感染症です。

学校では、プール熱のように「症状がなくなってから
2日」という決まった日数はありません。
学校医その他の医師が、感染のおそれがないと
認めるまで出席停止
とされています。

充血や目やにが軽くなっても、自己判断で登校や登園を
再開せず、医師に確認しましょう。

大人の場合は、学校のように法律で定められた
出勤停止期間はありません。
ただし、はやり目は感染力がとても強く、
手指やタオルなどを介して職場内に広がる可能性が
あります。

症状がある間は、可能であれば出勤を控え、
仕事を再開する時期は医師や職場に相談しましょう。
特に、医療・介護・保育など、人と近く接する仕事では
慎重な対応が必要です。

※症状の強さや回復までの期間には個人差があります。点眼の中止や登校・出勤の再開は、
自己判断せず医師の指示を確認してください。

プール熱との違い

どちらもアデノウイルスによる感染症ですが、
学校での出席停止の基準が異なります。

炎症が強いと、まぶたの裏に偽膜ができたり、
症状が治まったあとに角膜の濁りが残ったりすることが
あります。

また、感染力が強いため、家族や周囲へ
広げないための対策も大切です。

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