老眼鏡をかけると、老眼が進むって本当?

近くの文字が見づらくなってきた。
でも、 老眼鏡 ろうがんきょう をかけるのは少し抵抗がある。

そんなとき、

「老眼鏡をかけると、老眼が進むんじゃない?」

と思ったことはありませんか?
現場でも、この質問はよく聞かれます。

老眼鏡を使いはじめると、目がそれに慣れてしまって、
どんどん老眼が進んでしまうのではないか。
そう心配になる方は少なくありません。


老眼鏡をかけても、老眼そのものが早く進むわけではありません

まず、ここははっきり言っておきます。

老眼鏡をかけたからといって、
老眼そのものが早く進むわけではありません。

前回の記事でも見たように、
老眼は「 調節ちょうせつ 」の力が年齢とともに
弱くなることで起こります。

老眼のしくみを先に知りたい方は、
こちらもあわせてどうぞ⬇️

老眼って、遠くは見えるのにどうして近くが見づらくなるの?
最近、スマホや本を少し離さないと見えにくい。夕方になると、近くがぼやけやすく、目も疲れやすい。「これって老眼なのかな……いや、まだ大丈夫なはず」と思ったことはありませんか?前々回までの記事では、この話の土台になる事について見てきました。今回…

我慢すれば目が鍛えられる、というものではありません

「老眼鏡を使わずに頑張っていれば、
目が鍛えられるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。

でも、 老眼は筋トレのように、
努力すればよくなるものではありません。


少し専門的な話になりますが、
実際に 眼内 がんない レンズ(白内障手術で入れる人工レンズ、
水晶体と入れ替えるもので、調節はできなくなります)
が入っている方の調節力を
数十人測定したことがあります。

結果として、機械上では1 Dディオプター 前後、
つまり少しだけ調節しているような数値が
出ることがありました。

これは、
本来の水晶体のように厚みを変えて調節している
のではなく、毛様体筋などの働きによって
眼内レンズがわずかに動くことや、瞳孔の大きさ、
焦点深度などによる「 見 み かけの調節」と考えられます。
こうした見かけの調節については、
研究でも報告されています。


つまり、
老眼は「目の筋肉(毛様体筋)が衰えたから起こる」
というより、 年齢とともに水晶体の弾力が減り、
若いころのように形を変えにくくなることの方が
大きいのです。

そのため、無理に近くを見続けても、
調節する力が若いころのように
戻るわけではありません。


見えにくいまま頑張ると、目に負担がかかることがあります

見えにくいまま近くの文字を読み続けると、
目に余分な負担がかかることがあります。

無意識に目を細めたり、顔を近づけたり、
姿勢が悪くなったりすると、
慢性的な疲れ目やかすみ目だけでなく、
頭痛や肩こりなど全身の不調につながることも
あります。

※頭痛や肩こりには、
目以外の原因が関係していることもあります。
症状が強い場合や長く続く場合は、
医療機関で相談してください。

「まだ老眼鏡は早いかな」と思って
我慢しているうちに、
読むことや細かい作業そのものが
つらくなってしまう方もいます。

見えにくさを我慢することは、頑張っているようで、
目や体に余計な負担をかけている場合があります。


老眼鏡は、足りなくなった調節を助ける道具です

老眼鏡は、近くを見るときに足りなくなった調節を、
レンズで助けるためのものです。

使ったからといって、
目がなまけるわけではありません。

たとえば、暗いところで文字が見えにくいときに、
明かりをつけますよね。
それと同じように、
近くを見るときに足りない分を
少し補ってあげるのが老眼鏡です。


見え方に合わせて、目を助けてあげましょう

老眼鏡をかけることは、
老眼を早く進めることにはなりません。

そして、見えにくいまま我慢し続けることが、
目を鍛えることになるわけでもありません。

大切なのは、今の見え方に合わせて、
目に無理させず、必要なところを助けてあげる。

老眼鏡は、生活を楽にするための道具です。


わからないことがあれば

「こんなこと聞いていいのかな?」
そんな疑問も大丈夫です。

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