老眼って、遠くは見えるのにどうして近くが見づらくなるの?

最近、スマホや本を少し離さないと見えにくい。
夕方になると、近くがぼやけやすく、目も疲れやすい。

「これって老眼なのかな……いや、まだ大丈夫なはず」

と思ったことはありませんか?

前々回までの記事では、
この話の土台になる事について見てきました。
今回、いよいよその話が老眼につながります。
まだ読んでいない方は、こちらもあわせてどうぞ⬇️

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では、
老眼はその「調節」とどんな関係があるのでしょうか。


老眼とは、近くを見る力が弱くなる変化です

先に、いちばん大事なところから見ていきます。

老眼とは、近くを見るときに使う「調節」の力が、
年齢とともに少しずつ弱くなっていく状態
です。

では、どうして「遠くは見えるのに、近くが見づらい」
ということが起こるのでしょうか。

遠くを見るときは、
目がほとんど調節をしなくてもピントが合います。

一方で、近くを見るときには、
目が調節をしてピントを合わせる必要があります。

つまり、調節する力が弱くなってくると、
遠くは見えるのに、近くの文字や細かいものが
ぼやけやすくなります。

「遠くが見えるから老眼ではない」とは限りません。
遠くの見え方と、近くにピントを合わせる力は、
分けて考える必要があります。


老眼で近くが見づらくなる大きな理由

では、
なぜ年齢とともに調節がしにくくなるのでしょうか。

大きく関係しているのが、
目の中にある「水晶体」です。

水晶体は、主に透明なタンパク質でできています。

年齢とともに、そのタンパク質の性質が
少しずつ変わっていくことで、
水晶体は弾力を失い、かたくなっていきます。

水晶体がかたくなると、
近くを見るときに形を変えにくくなります。

そのため、近くにピントを合わせようとしても、
若いころのようには合わせにくくなっていきます。

これが、老眼で近くが見づらくなる大きな理由です。

調節力は、ある日突然なくなるわけではありません。

10代のころは、
かなり近くまでピントを合わせる力があります。

そこから年齢とともに少しずつ調節力が下がり、
近くにピントを合わせられる距離も、
だんだん遠くなっていきます。

たとえば、正視の人の目安では、
10歳ごろは目から約7cmの距離 まで
ピントを合わせられます。

それが 40歳ごろでは目から約22cm
50歳ごろでは目から約40cm と、
ピントを合わせられる一番近い距離が
少しずつ離れていきます。

つまり、
老眼は「ある日急に近くが見えなくなる」というより、
若いころから続いている調節力の変化が、
生活の中で気づきやすくなってくるものです。

※調節力や近くの見え方には個人差があります。
また、近視・遠視・乱視など、
その人の屈折状態によっても感じ方は変わります。


白内障とは、見えにくくなる理由が違います

ここで少し、白内障との違いも整理しておきます。

老眼も白内障も、どちらも「水晶体」が関係します。

どちらも根っこには、
水晶体のタンパク質が年齢とともに変化していく、
という共通した流れがあります。

ただし、
その変化が見えにくさにつながる理由は少し違います。

白内障では、
水晶体のタンパク質の変化などによって透明性が落ち、
にごりによって見え方に影響が出ます。

老眼は「ピントを合わせにくい」変化、
白内障は「にごりで見えにくくなる」変化、

と考えるとわかりやすいです。


近視・遠視で、見づらさの出方は少し違います

老眼は、近視の人にも、遠視の人にも起こります。

ただし、もともとの目の状態によって、
近くの見づらさの出方(時期)は少し変わります。

ここで大事なのは、
“調節のスタート地点”が人によって違う
ということです。

遠視の人は、遠くを見るときから、
調節を使って見ていることがあります。

そのため、
調節する力が年齢とともに弱くなってくると、
比較的早い時期から近くの見づらさや疲れを
感じやすくなることがあります。

一方で近視の人は、
もともと近くにピントが合いやすい目です。

そのため、メガネやコンタクトを外すと、
近くが見やすくなることがあります。

遠視・近視のしくみはこちらで詳しく書いています⤵️
あわせて読むと、「調節のスタート地点」の違いが
わかりやすくなります。

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この違いがあるため、
「近視だから老眼になりにくい」
と思われることがあります。

でも実際には、近視でも遠視でも、
年齢とともに調節する力は変化していきます。

見づらさの始まる時期や感じ方が違うだけで、
老眼そのものはどちらにも起こる変化です。

※見えにくさの原因が、
いつも老眼だけとは限りません。
「たぶん老眼だろう」と決めつけず、
気になるときは眼科で相談して、
今の目の状態を確認しておくことも大切です。


変わってきた見え方を、知ることから始めましょう

老眼は、誰にでも起こりやすい年齢による変化 です。

近くが見づらくなってきたとき、
「もう年だから」とあきらめる必要はありません。

まずは、目の中で何が変わっているのかを知ること。
そして、自分の見え方に気づくことが大切です。

遠くは見えるのに、近くが見づらい。
それは、目が急に悪くなったというより、
近くにピントを合わせる力が
少しずつ変化してきたサインかもしれません。


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