プール熱って本当にプールでうつるの?

実は、名前から想像するほど「プール」が
原因ではありません。

夏に流行しやすいこの病気は、
高熱やのどの痛みに加えて、
目が赤くなることもある感染症かんせんしょうです。
知っておくと、家族への感染予防にも役立ちます。

今回は、プール熱についてわかりやすくお話しします。

プール熱ってどんな病気?

プール熱は、正式には咽頭結膜熱いんとうけつまくねつといいます。

原因は、アデノウイルスというウイルスです。

名前に「咽頭」「結膜」「熱」と入っているように、
主な症状は、

  • のどの痛み
  • 目の充血
  • 発熱

です。

「咽頭いんとう」は、のどのこと。
「結膜けつまく」は、白目やまぶたの裏側をおおっている
薄い膜のことです。

だから、
“咽頭(のど)・結膜(目)・熱” なんですね。

夏に流行しやすく、特に子どもでよくみられますが、
大人がかかることもあります。

主な症状を、下のイラストにまとめました⬇️

本当にプールでうつるの?

「プール熱」という名前を聞くと、プールの水で
うつる病気というイメージがあるかもしれません。
実際には、アデノウイルスによる感染症です。

どうやって人にうつるか(感染経路かんせんけいろ)というと、

  • 咳せきやくしゃみによる飛沫ひまつ
  • 手指を介した接触
  • タオルや洗面用品の共有

などが中心です。

プールで流行することがあるのは、
子どもたちが同じ場所に集まり、体が近くなったり、
タオルなどを共有したりする機会が増えるためです。

つまり、プール熱は
**「プールだけでうつる病気」ではなく、
日常生活の中でもうつることがある感染症かんせんしょうです。

目にはどんな症状が出るの?

プール熱では、のどの痛みや発熱だけでなく、
目が赤くなることがあります。

よくみられる目の症状には、

  • 白目の充血じゅうけつ
  • 涙が増える
  • 目やに
  • まぶしさ
  • ゴロゴロする感じ

などがあります。

このとき赤くなっているのは、
目の表面にある結膜けつまくという部分です。

結膜がどこにあるのか、どんな働きをしているのかは、
次回の記事でお話し予定です。

どんな経過で治るの?

プール熱は、
感染してすぐに症状が出るわけではありません。
感染してから発症するまでに、
5〜7日ほどの潜伏期間せんぷくきかんがあるとされています。

経過の目安としては、

感染後5〜7日ほどで発症
⬇️
突然の発熱、のどの痛み
⬇️
目の充血や目やに
⬇️
熱やのどの症状が落ち着く
⬇️
目の症状が少し遅れて引いていく

という流れです。

もちろん、
すべての人がこの通りに進むわけではありません。
熱が先に出る人もいれば、目の赤みが気になって
眼科を受診する人もいます。

プール熱には、
ウイルスそのものを直接治す特効薬はありません。
そのため、治療は熱やのどの痛みをやわらげたり、
脱水を防いだりする対症療法たいしょうりょうほうが中心になります。

特に熱が高いときや、のどが痛くて食事が
とりにくいときは、こまめな水分補給が大切です。

※高熱が続く、水分がとれない、ぐったりしている、
目の痛みやまぶしさが強い場合は、
早めに医療機関へ相談してください。

学校や会社は?

プール熱は、
学校保健安全法では第二種学校感染症です。

学校では、発熱・のどの痛み・結膜炎けつまくえんなどの
主な症状がなくなったあと、
2日を経過するまで出席停止とされています。

大人の場合、
学校のような出席停止の決まりはありません。
ただし、プール熱は人にうつる感染症です。

発熱やのどの痛み、目やに、充血等の症状がある間は、
周囲に広げないためにも可能であれば出勤を控え、
職場のルールに従いましょう。

仕事を再開するタイミングは、体調の回復だけでなく、
職場のルールも確認しておきましょう。

家庭で気を付けること

治療は対症療法が中心になるため、
家庭では「休むこと」「水分をとること」
「家族に広げないこと」が大切になります。

また、家庭では、次のようなことに気を付けます。

  • 石けんと流水で、しっかり手を洗う
  • タオルや洗面用品を共有しない
  • 目をこすった手で、あちこち触らない
  • ドアノブや洗面台など、よく触る場所を清潔にする
  • 体調が戻るまでは、無理に登校・出勤しない

アデノウイルスは、
一般的なアルコール消毒が効きにくいことがあります。
そのため、
まず大切なのは石けんと流水で洗い流すことです。

ドアノブ、洗面台、蛇口、トイレのレバーなど、
家族がよく触る場所は、
こまめに清潔しておきましょう。
この消毒に、次亜塩素酸じあえんそさんナトリウムを含む
塩素系漂白剤が使われることもあります。
ただし、塩素系漂白剤は使い方を間違えると
危険なこともあるため、
使用する場合は製品の説明をよく確認し、
換気をしながら安全に使いましょう。

プール熱は感染症のため、
手を洗う、タオルを分ける、無理に外へ出ない。
この基本を大切にすることが、
家族を守る一番の予防になります。

※症状の出方や回復までの期間には個人差があります。心配な症状がある場合や、
登校・出勤の判断に迷う場合は、
医療機関や学校・職場の指示を確認してください。

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