前回のプール熱の記事では、
目が赤くなる「結膜炎けつまくえん」について触れました。
でも、そもそも結膜けつまくって目のどこのこと?
と思った人もいるかもしれません。
今回は、結膜がどこにあって、
どんなふうに目を守っているのかを、
わかりやすくお話しします。
白目はむき出しじゃないの?
眼の勉強をする前の僕は、
眼球が目のくぼみにはまっていて、
まぶたなど周りの組織によって、落ちないように
支えられているものだと思っていました。
そして、外から見えている白目も、
眼球そのものが直接見えているのだと思っていました。
ところが、実際には白目の表面は
結膜という薄い膜に覆われ、
その結膜はまぶたの裏側までつながっています。
それを知ったとき、「なるほど、眼球は
ただ目のくぼみにはまっているだけじゃないんだ。
こうして周りとつながっているから、
簡単に落ちたりしないんだ」と、すごく驚きました。
白目そのものは「強膜きょうまく」といい、
その上を結膜が覆っています。
つまり、眼球がそのままむき出しになっている
わけではありません。
結膜は透明に近いため、
その下にある白い強膜が透けて見えています。
※眼球は結膜だけで支えられているわけではなく、
外眼筋がいがんきんや周囲の脂肪組織しぼうそしきなどにも支えられています。
結膜ってどこにあるの?
結膜は、白目の表面だけにある膜ではありません。
まぶたの裏側から始まり、奥で折り返して、
白目の表面までつながっています。
場所によって、次のように名前が分かれています。
- 眼球結膜がんきゅうけつまく:白目の表面をおおう部分
- 瞼結膜けんけつまく:まぶたの裏側をおおう部分
- 結膜円蓋けつまくえんがい:その間で折り返している部分
結膜が、白目の表面からまぶたの裏側までどのように
つながっているのか、図で見てみましょう⤵️

このように、結膜は、白目の表面とまぶたの裏側を
つなぎながら、目のまわりをぐるっと囲むような
袋状の構造になっています。
このつながりがあるため、白目の表面は
むき出しにならず、まぶたを動かしたときも、
眼球との間がなめらかに動きます。
結膜はどんな働きをしているの?
結膜は、目をおおっているだけの
薄い膜ではありません。
まず、白目の表面やまぶたの裏側をおおうことで、
外からの刺激や異物から目を守っています。
また、結膜には細い血管が豊富にあり、
結膜やその周囲の組織に酸素や栄養を届けています。
この血管は、結膜に炎症えんしょうが起きたときに
目が赤く見えることとも関係しています。
さらに、結膜には「杯細胞はいさいぼう」という細胞があります。
この細胞は、目の表面を潤し、涙をとどめる働きを
持つ粘液成分、ムチンをつくっています。
ムチンによって涙が目の表面になじみやすくなり、
潤いが保たれ、まぶたと眼球もなめらかに動きます。
このように結膜には、
- 外からの刺激や異物、病原体から目を守る
- 酸素や栄養を届ける
- ムチンをつくり、涙を目の表面にとどめる
- まぶたと眼球をなめらかに動かす
という働きがあります。
ふだんはほとんど意識しませんが、結膜は目の表面を
潤し、守り、快適な状態に保つための大切な組織です。
コンタクトは目の裏に行かないの?
「コンタクトが目の裏側に入ってしまったかも……」
「レンズがどこにも見つからない!」
そんなふうに心配して、
眼科を受診される方もときどきいます。
実際には、コンタクトレンズが眼球の後ろ側まで
入り込むことはありません。
結膜は奥で折り返して袋状につながっています。
そのため、コンタクトレンズが眼球の
後ろ側へ抜けていく道はありません。
レンズが見つからないときは、まず慌てずに、
- ゆっくりまばたきをする
- 鏡で、見える範囲の目の中や
まぶたの裏側を確認する
※まぶたを無理に引っ張ったり、
強く裏返したりしないでください - 洗面台や床など、目の外に落ちていないか確認する
といったことを試してみてください。
やわらかいコンタクトレンズは、
上まぶたの裏側に入り込んだり、
折れた状態で結膜の奥に隠れたりすることがあります。
実際に、やわらかいレンズがくしゃっと折れ、
まぶたの裏側に隠れていた方もいました。
それでも見つからないときや、痛み・充血・異物感が
あるときは、無理に指で探したり、
強く目をこすったりせず、
眼科で確認してもらいましょう。
結膜炎は、ここに炎症が起こる状態
この結膜に炎症が起きた状態を、結膜炎けつまくえんといいます。
結膜に炎症が起こると、細い血管が広がって
目立つようになり、白目が赤く見えます。
これが「充血じゅうけつ」です。
そのほかにも、涙が増える、目やにが出る、
ゴロゴロする、まぶしく感じるなどの症状が
出ることがあります。
前回お話ししたプール熱でみられる目の赤みも、
この結膜に炎症が起きている状態です。
結膜の場所や仕組みを知ると、なぜ目が赤くなるのか、コンタクトレンズがなぜ目の裏へ行かないのかも、
イメージしやすくなります。
次回は、同じアデノウイルスによって起こる、
感染力の強い結膜炎、はやり目について
お話しします。




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