オルソケラトロジーってどんな治療?近視抑制治療には?

今回は、近視抑制治療の選択肢として名前があがる
「オルソケラトロジー(Orthokeratology)」に
ついて見ていきます。

日中の見え方を助ける方法として知られていますが、
近年では、
近視の進行を抑える効果も期待されています。

今回は、
オルソケラトロジーのしくみと、
近視抑制につながるしくみ、
使ううえで知っておきたい注意点を、
できるだけやさしく整理していきます。

オルソケラトロジーってどんな治療?

オルソケラトロジーは、
夜寝ている間に専用のハードコンタクトレンズを
装用する治療です。

朝起きたらレンズを外し、
日中は 眼鏡 めがね やコンタクトレンズを使わなくても、
裸眼で過ごしやすくなります。

寝ている間にレンズを装用すると、
角膜 かくまく の中央部分が一時的に平らに近づきます。
それによって光の曲がり方が変わり、遠くを見たときのピントが 網膜上 もうまくじょう に合いやすくなります。

ただし、角膜の形が変わる効果は永久ではありません。

そのため、見えやすい状態を維持するためには、
毎晩レンズを装用する必要があります。


オルソケラトロジーのレンズは、
中心部分だけでなく、
周辺部分にもそれぞれ役割があります。
まずは、レンズの構造を簡単に見てみましょう⬇️

レンズを装用すると、
角膜の中央部分は平らに近づきます。
その一方で、角膜の表面の細胞は周辺部分に
移動するような変化が起こります⬇️

※レンズの形状や設計は、
種類やメーカーによって異なります。
ここでは、基本的なしくみをイメージしやすいように
説明しています。

なぜ近視抑制が期待されているの?

オルソケラトロジーには、
近視の進行を抑える効果も期待されています。

その理由のひとつとして考えられているのが、
角膜の形の変化によって、
目に入る光の集まり方が変わることです。

先ほど図で解説したように、中央部が平らに近づくと、そのまわりには角膜の表面の細胞が
少し厚くなるような変化が起こります。

この周辺部分の変化が、
近くにピントを合わせるような働きをします。

その結果、
網膜 もうまく の周辺部では、ピントが網膜より後ろではなく、
前のほうにできやすくなります。

このことが、 眼軸長 がんじくちょう の伸びを抑える方向に
はたらくと考えられています。
これは、
前回紹介したミヨスマートの考え方とも似ています。

ミヨスマートは眼鏡レンズの構造で
周辺部に近視性のぼやけを作りますが、
オルソケラトロジーでは角膜の形が変わることで、
似たような状態を作っていると考えると
イメージしやすいと思います。

前回のミヨスマート記事はこちら⬇️

ミヨスマートってどんな眼鏡レンズ?普通の眼鏡と何が違うの?
前回は、近視抑制治療には目薬だけでなく、コンタクトレンズや 眼鏡メガネレンズなど、いくつかの選択肢があることを整理しました。その中でも今回は、2026年6月に国内販売が始まった近視抑制用の眼鏡レンズ、ミヨスマートについて見ていきます。「普通…

どこを光が通るとどう変わるのか、
図で見てみましょう⬇️

オルソケラトロジーのメリット

主なメリットは、次のような点です。

  • 日中は眼鏡やコンタクトレンズを使わなくても、
    裸眼で過ごしやすくなる。
  • 中止すると角膜の形は元に戻っていくため、
    手術のように元に戻せない治療ではない。
  • スポーツや外遊びのときに、
    眼鏡ではないため邪魔にならない。
  • 日中にコンタクトレンズを装用しないため、
    活動中のレンズのずれや乾燥感が気にしにくくなる。

オルソケラトロジーの注意点

次は、
オルソケラトロジーを使ううえで知っておきたい
注意点を見ていきます。

とくに大切なのは、毎日のレンズケアと定期検査です。

1.毎日の洗浄・消毒が必要です

寝ている間に装用するため、
レンズを清潔に保つことがとても大切です。

洗浄や消毒が不十分なまま使うと、
角膜炎 かくまくえん などの感染症につながる可能性があります。

角膜炎とは、黒目の表面に 炎症 えんしょう が起こる状態です。

目の痛み、充血、まぶしさ、涙が出るなどの
症状があるときは、無理にレンズを使わず、
眼科に相談してください。

2.費用は自費になります

基本的に自由診療で行われます。

検査代、レンズ代、定期検査の費用などは、
医療機関によって異なります。
始める前に、初期費用だけでなく、
その後にかかる費用も確認しておくと安心です。

3.レンズの破損や度数変更が必要になることがあります

オルソケラトロジーで使うレンズは、
専用のハードコンタクトレンズです。

レンズが破損、紛失したりした場合は、
新しいレンズが届くまで一時的に装用できず、
眼鏡で過ごす必要があります。

また、成長や近視の変化により、
レンズの規格や度数を変更することもあります。
その場合、追加費用がかかることもあります。

4.度数や目の状態によって、向き不向きがあります

一般的には、強すぎない近視が対象になります。

近視度数が-4.00 D ディオプトリー くらいまでとされることが多く、
レンズの種類によっては-6.00 D ディオプトリー まで対応できる場合も
あります。

ただし、実際に使えるかどうかは、
近視の度数だけで決まるわけではありません。

角膜の形、 乱視 らんし の強さ、目の病気の有無なども
確認する必要があります。

5.近視抑制としては、承認された治療ではありません

日本では近視を矯正する治療として承認されています。

ただし、近視の進行を抑える効果については、
現時点では日本で「近視抑制」を効能・効果として
承認されているわけではありません。


オルソケラトロジーは、
眼科で目の状態や生活スタイルを確認しながら、
慎重に相談して決めていくことが大切です。

オルソケラトロジーも進歩しています

以前から行われている治療ですが、
レンズの作り方や交換方法など、
少しずつ進歩している分野でもあります。

この記事を読んでくれた方に
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もし交換頻度が短いレンズが使えるようになれば、
レンズ管理のしやすさや、
装用感の向上につながる可能性があります。

学会では、1か月ごとに交換する
新しいオルソケラトロジーレンズの開発についても
紹介されていました。


もちろん、交換可能な新しいレンズが出てきても、
毎日のケアや定期検査が大切であることは
変わりません。

オルソケラトロジーは、
便利さと注意点の両方を知ったうえで、
眼科で相談しながら考えていく治療です。

近視抑制治療の分野は、
これからも少しずつ変わり、進歩していきそうです。

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