前回は、近視抑制治療には目薬だけでなく、
コンタクトレンズや 眼鏡レンズなど、
いくつかの選択肢があることを整理しました。

その中でも今回は、
2026年6月に国内販売が始まった近視抑制用の
眼鏡レンズ、ミヨスマートについて見ていきます。
「普通の眼鏡と何が違うの?」
「眼鏡なら、作ればそれでいいの?」
といった疑問が出てくると思います。
今回は、ミヨスマートがどんなレンズなのか、
作るときや使うときに大切なことを、
できるだけやさしく整理していきます。
ミヨスマートは、子どもの近視用につくられた眼鏡レンズです
普通の眼鏡は、遠くを見やすくするために使います。
近視では、遠くを見たときにピントが 網膜より手前で
合ってしまうため、遠くがぼやけて見えます。
眼鏡は、そのピントが網膜に合うように助ける役割があります。
※「ピントが合う」とはどういうことかは、
こちらの記事で整理しています⬇️

ミヨスマートも、まずは近視による
見えにくさを助けるためのレンズです。
そこに、 近視の進行を抑えることを目的とした構造(DIMSゾーン)が加わっています。
普通の眼鏡と違うのは、近視進行を抑えるための構造があること
普通の眼鏡レンズでは、
中心ではピントを合わせて遠くを見やすくしますが、
レンズの周辺では、光の集まり方の関係で、
網膜より後ろ側にピントが
合いやすいと考えられています。
この周辺で後ろにずれるピントが、
目の奥行きである 眼軸長が伸びることに
関係しているのではないかと考えられています。※1
ミヨスマートでは、レンズの中心部分は、
普通の近視用眼鏡と同じように、
遠くにピントを合わせるための部分です。
そのまわりに、近視の進行を抑えることを目的とした
小さなレンズ構造がたくさん配置されています。
この小さなレンズ構造によって、
周辺のピントが網膜より後ろではなく、
前にくるように工夫されています。
そのため、近視の進行を抑える方向に
はたらくことが期待されています。
少しイメージしにくいところなので、
図で見てみましょう。


つまり、ミヨスマートは
「遠くを見やすくすること」と
「近視の進行を抑えること」
の両方を考えて作られた、
子どもの近視用眼鏡レンズです。
※1.周辺部軸外収差理論
作るには眼科医の処方が必要で、眼鏡の位置合わせも大切です
ミヨスマートで眼鏡を作製するには、
眼科で検査を行い、近視の状態や、度数、
目の使い方、ほかに気をつける目の病気がないか
などを確認します。
そのうえで、眼科医による処方が必要です。
また、ミヨスマートは、
ただ度数を合わせるだけではなく、
レンズのどの位置を通して見るのかが大切です。
資料では、
自然な姿勢で遠くを見たときの 瞳孔中心を、
レンズの中心に合わせることが書かれています。
簡単にいうと、 目の位置に合わせて、レンズの設計が
きちんと使えるように作る必要がある ということです。
そのため、鼻メガネのようになっていたり、
フレームが曲がっていたりすると、
レンズの設計をうまく使えず、見えにくさや、
近視抑制のはたらきに影響する可能性があります。
ミヨスマートは、作るときの処方だけでなく、
お子さんの顔に合ったフレーム選びや、かけたときの
位置合わせも大切な眼鏡レンズです。
毎日しっかりかけて、定期的にチェックすることが大切です
ミヨスマートは、作ったら終わりではありません。
使い方や、使い続ける中での確認も大切です。
ミヨスマートは終日装用が推奨されています。
つまり、必要なときだけかけるのではなく、
できるだけしっかり使うことが大切です。
使い始めの時期には、見え方に違和感があったり、
まれに二重に見える感じ、めまい、頭痛などが
出たりすることもあります。
新しい眼鏡に慣れるまでには、
通常1〜2週間程度かかることがあるため、
軽い違和感であれば少し様子を見る場合もあります。
ただし、
症状が強いときや、なかなかおさまらないときは、
無理をせず眼科で相談してください。
そして、ミヨスマートは定期的なチェックも大切です。
眼科では近視の進み方や目の状態を確認し、
眼鏡店ではフレームのゆがみや、
正しい位置でかけられているかを確認してもらいます。
毎日しっかりかけること。
そして、定期的に確認していくこと。
この2つが、ミヨスマートを使っていくうえで
大切なポイントになります。
※チェックの間隔は、
眼科やお子さんの状態によって変わることがあります。
通院先や購入した眼鏡店で、どのくらいの間隔で
確認するかを聞いておくと安心です。
レンズだけでなく、生活習慣も一緒に見直していきましょう
レンズを使っていればそれだけで大丈夫、
というわけではありません。
近視の進行には、目の使い方や生活習慣も関係する
と考えられています。
そのため、
ミヨスマートを使う場合でも、日ごろの過ごし方も、
一緒に見直していくことが大切です。
たとえば、スマホやタブレット、本などを見るときは、目との距離を30cm以上離し、
近くなりすぎないように気をつけること。
姿勢が崩れすぎないようにすることも大切です。
また、近くを見る作業が続くときは、
20分に1回、20秒以上、20 feet(約6m)先を見る
「20-20-20ルール」もひとつの目安になります。
屋外の明るい自然光の中で過ごす時間を作ることも、
近視対策として大切だとされています。
日差しが強い日は、帽子や日陰を使いながら、
無理のない範囲で屋外の明るさに触れる時間を
作れるとよいと思います。
ミヨスマートは、近視抑制治療の選択肢のひとつです。
大切なのは、レンズだけに任せるのではなく、
眼科で定期的に目の状態を確認しながら、
生活の中でできることも一緒に続けていくことです。




コメント