のぞき込むと、赤い気球が見えるあの有名な検査。
途中で、ふっとぼやける瞬間があります。
その瞬間、急に瞬きが増える方が多いです。
でも実は、 あのぼやけは失敗ではありません。
ぼやける瞬間、何が起きている?
あの検査機械は
オートレフケラトメーターといって、
・屈折(ピントのズレ)
・角膜曲率(黒目のカーブ)
を測る機械です。
ぼやける瞬間、思わず何度も瞬きをしたり、
ぐっと目に力が入る方もいます。
でも実は、
あのぼやけは機械がわざと起こしています。
そしてそのタイミングで、
目の度数を測っています。
あの気球は「遠く」を見せています
中に見える赤い気球は、
“遠くにあるように”見える仕組みになっています。
遠くを見るとき目は本来リラックスします。
ピントを合わせる力(=調節)がゆるむからです。
だから、遠くを見ている状態で測りたいのです。
人は機械をのぞくだけで調節が入ります
ここが少しややこしいところです。
人は「機械をのぞく」という行為をすると、
無意識に“近くを見ている”と判断することがあります。
たとえ気球が遠くに見えていても、
「機械の中にある」と思った瞬間、
目が近くのものとして認識してしまうことがあるのです。
すると調節が入り、
本来よりも近視寄りの値が出ることがあります。
特に遠視の子どもは注意が必要です。
遠くは見えているように見えても、
実は常にピントをがんばって合わせていることがあります。
遠視=遠くがよく見える目、ではありません。
“遠くを見るためにも力を使っている目”です。
だからこそ、機械は途中であえてぼやけさせます。
ぼやけさせることで、
入ってしまった調節をゆるめようとしているのです。
現場でよくあること
ぼやけた瞬間、瞬きが増える。
これは本当によくあります。
「ちゃんと見なきゃ」と
無意識にがんばってしまうからです。
でも実はそこ、
がんばらなくていいところです。
ぼんやり、力を抜いて見ているほうが、
本当の状態に近づきます。
お子さんの検査では、少し工夫をします。
こちらから
「気球にくまさん乗ってないかな?」
と声をかけると、
「ほんとだ、くまさんが乗ってる!」
と教えてくれます。
「色変わるかもよ」と言うと、さらにじっと見てくれることもあります。
想像力を借りて、
検査がスムーズになるように声をかけています
がんばらないほうが、正確に測れます
赤い気球の検査は、
「はっきり見よう」
とするほど難しくなることがあります。
おでこはしっかりつけて、
目はできるだけリラックス。
少し力を抜くだけで、
目の本当の状態に近づきます。

次に受けるときは、
どうか安心して、ゆるく見てみてください。
あの赤い気球は、
そんな“力を抜くための工夫”でもあるのです。



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